むずむず脚の症状、診断基準、診察の過程
岐阜県で睡眠の病気を診察しています
医学博士 阪野勝久の公式サイトです。
レストレスレッグス症候群の情報 阪野クリニック岐阜いびき睡眠障害の治療
岐阜市で「睡眠の病気」を専門的に診察している阪野勝久です。
女性が不眠で困っていて、診察してみると、むずむず脚のことがあります。
「夜、足に不快な感じがして、眠れない」
「じっとしていられない・・・」
うまく眠れないので、仕事や家事に集中できず、日常生活にも影響が出ます。
テレビ、雑誌、ラジオなどのマスメディアに取り上げるようになったので、すでに知っている人が多いかもしれません。
今回は、20年近く睡眠の病気を診察している医師の視点から紹介していきます。
「もしかして、むずむず脚症候群なのかな?」
女性の不眠で悩んでいる方で、この病気が見つかることがあります。
睡眠障害の国際分類(3版)から簡潔にまとめました。
診断基準について紹介します。
1.脚に不快な感覚があり、動かしたくなる。
むずむず脚の症状は、次の三つが特徴です。
・安静にしているときに症状が出現する。
(横になっているとき、座っているとき)
・ストレッチや運動によって、症状が軽くなる。
・日中より、夕方から夜の症状が有意にひどい。2.むずむず脚の症状が他の病気の症状で、説明できない。
3.睡眠の質が低下する、精神状態、教育上および職業上のパフォーマンスに影響する※。
※要するに、日常生活に影響することです。
夜、うまく眠れないので、「昼間の眠気があって困る」という相談も受けます。
よく聞いてみると、むずむず脚で眠れない結果、翌日の眠気が生じていることが分かることもあります。
・会社で長時間イスに座っているとき、脚の症状が気になりつらい。
・長距離ドライブのとき、脚を動かしたくなるので、サービスエリアに立ち寄る回数が多い。
・長い映画のとき、脚をそわそわしている。落ち着かない症状がある。
インターネットで情報を収集して、病院で診断と治療の相談をするとき、さまざまな思いで来院されています。
「どんな検査が必要なのかしら」
「ドパミンが効くと書いてあったから薬を欲しい」
「原因が分からなくて、病院を何件も回りました」
岐阜市にある筆者のクリニックでは、治療の相談を受けています。中には、思春期、妊娠、授乳中の女性が県外からも、悩んで問い合わせてきます。
どんな検査が必要か、原因は何か、薬にはどんな種類があるかを取り上げる予定です。
病院によって、診察の方法はさまざまです。
睡眠クリニックでは、独自に使用している
問診票を記入することが多いです。
診察の前に、看護師、臨床検査技師の
聞き取りがある場合もあります。
ドクターが直接、カルテ登録が終わってから
診ることもあります。
今までの経過、他の病院でどんな病気を治療しているか、飲んでいる薬など、問診します。
現在、困っている症状が、先ほどの「むずむず脚症候群の診断基準」をすべて満たしているかを調べます。その後、外来で原因検査のため血液検査を行うことが多いです。検査結果をみて、治療の方向性を決めます。
ドパミンアゴニストと呼ばれる薬を処方することもありますが、女性の場合、検査結果をみてから、「鉄剤による治療」を優先することがあります。
※今後、詳しく取り上げます。
呼び方が、統一されていないのが現状です。
・むずむず脚症候群
・レストレスレッグス症候群
・下肢静止不能症候群
・エクボム症候群
英語では、restless legs syndromeです。
略して、RLSと呼びます。
この病気の症状の発見と報告を行った、Thomas WillisとKarl-Axel Ekbomの両者の名前から、Willis-Ekbom Disorder(WED)とも呼ばれます。
次回は、むずむず脚症候群に合併することが多い
周期性四肢運動について紹介します(つづく)。
各種メディア取材、病院の教育講演、睡眠障害の記事監修など。
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