むずむず脚に合併する周期性四肢運動とは

夜、寝ているときに周期的に足がピクッと動いて(周期性四肢運動)、不眠になったことはありませんか?

むずむず脚に合併する周期性四肢運動とは

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むずむず脚は周期性四肢運動を高率に合併する

前回、レストレスレッグス脚症候群(restless legs syndrome: RLS)の基礎知識を書きました。

今回は、脚がピクッと動く症状を解説します。

「寝てると、足がぴくぴくする」

「パートナーの足が寝てるときに定期的に痙攣して気になる」

こんな経験ありませんか?

もしかしたら、周期性四肢運動かもしれません。

英語では、脚がピクッと動くことを、twitchingと言います。日本語では表現しにくいのですが、「脚のぴくつき」などと呼ばれています。稀に、腕にも症状が出ることもあります。

むずむず脚症候群では、周期性四肢運動が同時に見つかることが多いのです。「足の動き」が、不眠の原因となります。

 

むずむず脚症候群との関連は?

むずむず脚症候群は「本人が感じる脚の症状」です。

「脚が気になって寝付かれない」という不眠の訴えが、多いです。

ムズムズ脚で困っている方を診察すると、80%くらいに、睡眠中に脚がぴくっと動く症状がみられることが分かっています。周期的に脚が動くので、周期性四肢運動と呼ばれています。定期的に20秒から40秒間隔で起こる「足がぴくっと動く」ものです。

寝ているときに起こるので・・・

Periodic limb movements in sleep(PLMS)とも呼ばれます。略して、PLMSです。

 

診断するには

・周期性四肢運動が1時間あたり15回以上ある。

・夜の睡眠あるいは日中の活動に支障が出ている。

上記の場合に、周期性四肢運動障害と呼びます。

英語では、Periodic limb movement disorderです。略して、PLMDと言います。先ほど書いたPLMSとは、一文字違いです。

 

RLSとPLMDの違いを簡単に理解するには

むずむず脚症候群:主観的なもの(症状による診断)

→ RLSは、問診が主体です。

周期性四肢運動障害:客観的な脚の動き+夜間あるいは日中の症状に影響している

→ PLMDでは、終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)による評価が必要です。

「足のピクつき」は、脳への覚醒、心拍数の上昇を引き起こします。そして、熟睡感が出ない、昼間の眠気という訴えにつながります。

 

「最近、よく眠れない・・・」

「仕事中、眠い」

 

 

不眠でお困りの方、パートナーに「足の動き」があるか、見てもらうと手がかりになります。

 

本人とベッドパートナーへの影響

むずむず脚症候群で悩んでいる方は、寝る前に足を動かしたい症状が出ます。そのため、同じベッドで眠ると、足をそわそわ動かします。

むずむず脚の特徴は、足を動かすことで症状が軽くなるので、頻繁に脚を動かします。8割の方々が、周期性四肢運動が生じる背景があるので、寝てからも脚がぴくっと動くことになります。

 

「パートナーが寝ている時に、足がピクッと何回も動いて気になる」

「動きが気になって、寝れない・・・」

 

 

本人もつらい脚の症状ですが、「ベッドパートナーの睡眠も妨げられる」ことが問題になることも。本人のむずむず脚の症状と周期性四肢運動が、隣で眠っている人の睡眠に影響します。

 

病院の何科にかかれば良いか?

周期性四肢運動障害に対応する診療科は、
神経内科、精神科が主体になります。

日本睡眠学会のホームページには、
睡眠を専門とする医師の一覧があります。

 

次回、むずむず脚の原因を調べるための血液検査を紹介します(つづく)。

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